世界最高速ゲノム解析用アクセラレータの基本設計に成功

お知らせ

最先端の半導体技術を活用した高速ゲノム解析で新時代を拓くベンチャー企業である株式会社Mitate Zepto Technica(略称:MZT、本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 原島 圭介)は、世界最高速のゲノム解析専用のハードウェア・アクセラレータの基本設計に成功したことを発表しました。新開発のハードウェア・アクセラレータは、超並列演算によりゲノム解析に必要なシーケンスデータのマッチング処理・アラインメント処理で世界最高速となる5分以下を実現、従来装置の10倍以上の処理性能を達成するものです。

高速化、解析効率の大幅な向上、そしてシステムコストの低減などにより、遺伝子診断など医療分野だけでなく地球規模で問題になっている農業・漁業・畜産業での食料問題の解決、バイオテクノロジー、エネルギー分野への応用などを通じさまざまな社会課題の解決に貢献するものと期待されています。

新開発のアクセラレータは、データ処理の速度問題を解消するだけでなく、独自開発の専用ASIC(カスタム半導体)を使用することによってシステム構築コストを従来製品との比較で5分の1程度に抑えることを可能にします。このアクセラレータの導入により、スーパーコンピュータなど大型コンピュータを必要とせず、汎用サーバを使った高速データ処理が可能になることで、コスト面から解析システム導入を見送っていた中小の研究・医療機関へのゲノム診断機器の導入促進が見込まれます。

新開発のゲノム解析専用のハードウェア・アクセラレータの主な特徴は以下の通りです。

  • 解析スループットを約10倍にすることでランニングコストを大幅に低減
  • システム構築コストを従来の5分の1とすることでイニシャルコストを大幅に低減
  • 解析システム導入機関の増大によるゲノム診断の裾野拡大と平準化
  • 解析データの増大化によるバイオテクノロジーの進化を加速

今回、MZTが画期的なゲノム解析専用ハードウェア・アクセラレータの基本設計開発に成功した背景には、膨大なゲノムデータを効率よく処理するための独自アルゴリズムの開発と卓越したプロセッサ設計技術の採用、優秀な技術者集団によるマルチコア実装技術の実現、低消費電力技術などの技術優位性が挙げられます。

ゲノム解析専用のハードウェア・アクセラレータの新開発について、株式会社Mitate Zepto Technicaの代表取締役社長である原島 圭介は、次のように述べています。

「当社は、医療業界が抱える諸問題に着目し、世界最高レベルの先端技術を駆使した製品開発を行い、世界へ提案することを目指しています。このたびの世界最高速のゲノム解析専用のハードウェア・アクセラレータの新開発により、医療分野から食料分野まで、人類共通のさまざまな社会課題の解決に貢献してまいります」

ゲノム解析とは:生物のゲノムのもつ遺伝情報を総合的に解析すること。ゲノムを構成するDNA分子の塩基配列(GATCのならび)を決め、同・違生物種間で塩基配列の比較をすることによって、DNA配列の違いがどの様な違いをもたらすかを解明するものです。

ゲノム診断とは:個人の遺伝子を検査することで、本人の病気やその発症リスク、薬の効き具合の診断や、最適な予防、治療をデータにより迅速に選択できます。日本では一部がんゲノム医療が保険適応となっています。遺伝子検査 、DNA検査とも呼ばれています。

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